府中トン子のただいま迷走中

四方山話を書くブログです。

公務員をニヤニヤ観察する方法

いきなりですが、公務員ってどんなイメージがありますか?七三分けで眼鏡をかけて杓子定規な物言いの真面目を絵にかいたような感じでしょうか。

 

最近の若手職員はそのイメージからだいぶかけ離れているように思います。

私は、少しの間、とある地方公共団体で働く機会がありました。

20代から30代くらいの若手職員はコミュニケーション力が高く、ファッションやメイクなども流行を取り入れ、一見して公務員と思えないくらい垢ぬけている人もいます。

 

 

この「一見して公務員と思えない」というのがポイントです。

観察していると、彼らは公務員なのに公務員と思わせない、というギャップをとても大切にしているように感じられるのです。

私はこのギャップをニヤニヤしながら観察するのが好きでした。

 

例として実際私が出会った公務員たちの話をします。


ある男性職員Aさんは、パンツのベルト通しにウォレットチェーンをつけていました。彼が近づくとチャリンチャリンとチェーンの音がします。「Aさんが来ると音ですぐわかりますね」と話すと、パーマをかけた前髪をかきあげながら「いやー、鍵をすぐ失くしてしてしまうのでこうしておかないとダメなんですよ」と言っていました。

 

別の男性職員Bさんの場合は「いやー、昨日寝てなくて眠いっすわー」というので、話を聞いてみると(こういうのを誘い受けっていうんですよね)、自身が企画したDJイベントで夜通しプレイに興じていたというのです。


大手企業でもリストラや倒産で不安定な中この10年くらいで公務員人気が急上昇しました。要領よく大学生活を送ってきた学生の就職希望先としても公務員を選ぶ人も増えてきたことが、この現象を生んでいると思うのです。

 

学内のヒエラルキーの中程度以上にいた学生が、自分の実力と将来を冷静に判断した選択した結果が地方自治体だったということでしょう。

お堅い公務員をやっているけど私生活はお堅くはないんだという自己顕示欲が漏れ出ているような気がするのです。

 

AさんもBさんも公務員なのに型破りなんだと思われたい雰囲気をビシビシ感じます。しかし、チェーンを使うにしても、鼻ピアスと耳ピアスをチェーンでつなぐような公務員として破天荒すぎることはせず、イベントをするにしても副業としてお金を取るようなことはしません。

ぎりぎりお咎めがない線をついてくるのが非常に公務員的だと思うのです。

 

 

そしてそんな彼らは判を押したように20代半ばで職場結婚し、すぐに子どもを作ります。本来20代半ばで結婚し、20代のうちに出産をしておくことは体力的にも経済的にも理想的と言えます。しかしこのご時世、20代での就労や収入が不安定なことから、結婚や出産に消極的になる傾向があるのも事実です。

公務員だと、よほどのポカをしない限り退職に追い込まれることはないでしょうし、倒産の心配もありません。そして、職場結婚を選ぶと、産休育休などの福利厚生も手厚く、収入や年金も2倍なのでかなり手堅い判断と言えます。

こんなに結婚する時期やその相手選びが同じようだと、彼らが見せたいであろう「公務員らしくなさ」のかけらもありません。自由奔放さやハートで行動するのとは程遠く、極めて功利的な行動です。

イケてる一面を見せて型破りな公務員に見せようとしつつ、実際やることはお堅い公務員そのものという、いけすかない気質が、公務員の仕事を続ける上で向いているのではないかと思っています。

 

 

公務員の仕事は市のため、市民のためと思ってするには、やりがいが目に見えにくい仕事が多いように思います。
また、反対に上司や同僚に認められたいがために仕事すると仕事に押しつぶされてつらいものです。

 

 

今回取り上げた公務員は、公務員の仕事を選んだのはあくまで安定し堅実な人生を送るためのツールでしかないという印象を受けます。そして、公務員の仕事自体、むしろそのドライさが求められる仕事なのではないかと考えています。

 

 

 

だから、公務員らしくなさをアピールしてくるのは鬱陶しいですが、こういうタイプの人がこの市を支えてくれているんだと思うようになると、ニヤニヤしながらでも話を聴けるようになりました。