府中トン子のただいま迷走中

四方山話を書くブログです。

人目気にしてしまうあなたへ

このブログを読んでいただいて薄々お気づきの方もいらっしゃるかもしれませんが、私は人の目を気にするタイプです。反対に人のこともいろいろ気になってしまいいちゃもんをつけたくなってしまうタチです。

 

先日知人と話していて「ふむ」と思ったことがありました。その方は結婚して、実家のある広島を出てご主人の住んでいる今の街(数百キロ離れた街)に移り住んでいます。

初対面の人と話をするとき、「私は広島出身で・・」という話題になることがよくあるそうです。すると、一瞬相手の顔が曇ります。

「結婚してこちらにやってきました」というと合点がいったようで顔が和らぐのを感じます。

次に相手が「ご主人はこちらの方なんですか?」と聞くので「いえ、違います」と答えるとまた曇ります。

「夫の仕事でこちらに住むことになったのです」というと、和らぐ。

相手が「じゃあ転勤でまたどちらかに移るのですか?」と聞くので「いえ、転職したのでずっとこちらです」と答えると顔が曇る。

 

人はそれぞれ「この場合はだいたいこのパターン」というステレオタイプを持っています。

この聞いたやりとりだと、地元とは違う街に移住してきた場合、転勤で否応なくやってきたというパターンがしっくりきたのだと思われます。

結婚してないけど彼を追って移り住んだとか、日本地図にダーツを投げたらこの街が当たったから移り住んだなんて言うのはしっくりこない答えだから顔を曇らせてしまうのだと思います。

 

これに似たやり取りってどこにもあると思うのです。そしてそのステレオタイプの呪縛にとらわれてしまうことも珍しくありません。

学校を卒業したら、仕事に就き(正社員が望ましい)しかるべき年齢になれば結婚し(離婚しないことが望ましい)、しかるべき年齢になれば子供を持つこと(2~3人が望ましい)が一般的とされます。

さらに仕事のやり方、結婚相手の選び方、子供への教育、趣味、友人や親とのかかわり、公共の場での立ち振る舞いなどなど「こうあるべき」は探せばキリがありません。人の目が気になる人にとって例えば自分が退職したり、独身や子なしである場合には合点のいく説明が求められているようなプレッシャーを感じます。

 

今まさに人生の岐路に立っている人は、そんな人の目が気になって身動きが取れない人もいるのではないでしょうか。

 

でもそんなとき思い出す出来事があります。

大したことではありませんが、ずっと昔にフランスのパリを旅行していたときのこと、肩から下げていたショルダーバッグが重すぎて肩が壊れそうになったため頭にのせて歩くことにしました。

旅の恥は掻き捨てだい!と思って歩いていましたが、誰も白い目で見ることはありませんでした。別の日に普通にベンチに座っていると、おじさんがやってきて好奇心いっぱいの目で「お前は中国人か」と聞いてきました。

私がこうしたらヘンかなと思っていることなんて私の生まれ育った環境での尺度でのことで、その環境から離れてしまえば気にされなかったり、そんなことより他のことに引っかかれたりするわけです。

 

仕事に関してでいえば終身雇用なんて能力や時間を無駄にしていると考える環境もあるでしょうし、昼寝もせず朝から晩まではたらくなんてありえない!という環境もあるでしょう。狩りをするのが仕事の人にとって決まった時間に決まった場所に行ってキーボードをポチポチ叩くのが仕事なんて理解されないかもしれません。

 

つまり人の目を気にしていてもキリがないということです。それでも気になっちゃうというのであれば、世界中を旅してその考えを吹き飛ばすか、もしくは自分の生きやすい環境を見つけて精一杯、人目を気にして生きていけば今よりはマシでしょう。

 

私はと言えば、先日公園に娘を連れて行った時のこと、通りすがりのおばあさんにボーイッシュなファッションで眉毛の凛々しいわが娘を男の子と間違われたのにも関わらず、へらへらごまかしてその場を去りました。めっちゃ人目気にしてるやん!