佑ちゃんがんばれ
以前、私は野球を見るのが好きという話をしました。今の時期はオフシーズンなので、プロ野球に関する情報はキャンプや個人のトレーニングに関しての事が多いですね。
最近出たプロ野球ニュースで引っかかったのが、「ハンカチ王子」こと斎藤佑樹投手についてのことでした。
斎藤佑樹投手と言えば、早稲田実業高校で甲子園に出場し、全国から注目を浴びました。
野球に詳しくない人でもその名前と活躍は記憶に残っていることでしょう。その後、早稲田大学に進み、北海道日本ハムファイターズにドラフト一位で入団します。プロ2年目では開幕投手を務め、完投勝利を収めこそしましたが、その後は怪我にも悩まされはじめ、2軍でくすぶっている事も多くなりました。
2016年の成績は0勝1敗、来シーズンでプロ7年目になります。
プロでの活躍ぶりを見ると、いつ戦力外通告を受けてもおかしくないという人もいるくらい期待に応えられていません。
それでもチャンスを与えられ続け、来期も契約を継続されているのは、彼のもつ知名度や人気に助けられている部分が大きいと思います。
今でもマスコミに注目をされニュースになるくらいなのですから。
そこで、今回目にしたニュースです。清原や中田翔などを指導したカリスマトレーナーケビン山崎氏に師事し、自主トレを行っているというものです。歯を食いしばってトレーニングを受ける写真が掲載されていました。
「キツくても自分の身になっている実感がある」「一番いいときに比べればまだまだだが、最近では一番いい」など、来期には結果を出せると期待するコメントを残しています。
この記事を読んで、私は以前勤務していた職場での自分に重ねていました。
私は、以前のブログでも話したように、アパレル関係の販売員をしていました。配属されたのは、全店の中でも急成長の売り上げをマークしている勢いのある店舗でした。高い売り上げ目標を掲げられ、体育会系のノリでビシバシしごかれる毎日です。
私は洋服が好きというだけで就職したため、売り上げが良いことに喜びを感じるタイプでもなく、気が利かず、ぼんやりした性格であったため、お客さんに積極的に商品を勧めて売り上げを上げるやり方になかなかなじむことが出来ませんでした。
しかし、就職氷河期でやっとつかんだ就職先であり、見栄っ張りでもあったので、実際に売り上げを上げる努力をするよりも職場で良いポジションを維持しようとアピールする方に励むようになりました。
偉い人たちに管理職を目指していると言ってみたり、売り上げを上げるためにこのような努力をしていると、ペラペラと語ってはその場しのぎをしていたのです。
早々と見限られてもおかしくない状態でしたが、運がいいのか悪いのか、売り上げのよい先輩が次々と辞めることで、逆に期待されるようになり、私もアピールのスキルだけは上がっていたように思います。
結局最後まで、販売の仕事に意味が見いだせず、プレッシャーにも耐えられず退職することにしたのです。
ドラフト1位のプロ野球選手と、しがないどこにでもいるやる気のない販売員を比べるのは大変おこがましいことですが、斎藤佑樹投手にもどこか似たものを感じたのです。
マスコミを集めた派手な自主トレのやり方や、周りに期待を持たせるコメントを取ってみても本当に自分のためになるものを選んだり自分の現状を語っていないように見えます。注目されるがゆえに、プロ野球選手として生き残りたいがゆえに「やっている風」を見せ続けなければならなくなっているのではないかな、と思うのです。
それは年を重ねるごとにつらくむなしくなってくるような気がします。
自分の足りていないところから目をそらさず、愚直に足りない部分を一歩一歩補っていくことが大切だと思います。(自分がそうすればよかったと思っていることなのですが)
冴えない成績でもこれだけ注目される選手は珍しいです。ここで踏ん張って伝説を作り上げてほしいものです。