マイルドヤンキーを知りたい~先輩って誰よ?編~
先日通院をしている病院の待合室の後ろの席で女性二人が話をしていました。
会話の内容を何となく聞いていると親しい間柄ではあるようですが、若い方は年上の方に敬語を使っています。
若い方の診察に年上の方が付き添っているようでした。
はじめは嫁姑の関係なのかなと思ったりもしましたが、それにしては年が近すぎるし、かといって病院の付き添いをするくらい近しい関係なわけだし・・と関係性がとても気になりました。
帰りに一緒に来ていた夫とその話題となり、夫から「マイルドヤンキーぽいし、『先輩』が付き添いとしてきていたのではないか」と言われ、それっぽい!と膝を打ちました。
私はここでも書いたのでおわかりいただけるかと思いますが、(マイルド)ヤンキーとは真逆の人生を歩んできました。
引っ越しも多く、学校も家から離れたところに通っていたので、地元という感覚が希薄で友達も知り合いもほとんどいません。
当然ですが最近までマイルドヤンキーと人生で交わってきませんでした。
でも遠い存在だったからこそ人一倍興味があるのです。
そんな私に30歳を迎えた頃から、若い女性からの相談を受ける仕事に就いたことで急に接点を持てる機会が訪れました。
その若い女性たちがマイルドヤンキーの定義に当てはまれば当てはまるほど、私の話を聞く姿勢が前のめりになります。
役得ですが、彼女たちの生態に迫れるチャンスなのです。
そこでかなりの確率で登場するのが「先輩」というワードです。
「先輩に旦那について相談したら・・」
「先輩に子供を預けて今日は来ました」
「家出して先輩の家に行っていました・・」
さらには、
「一人で相談に来るのは不安だったので先輩と一緒に来ました・・」
「後輩のことについて代わりに相談に来ました」
もはや血縁をも超えた近しさで存在する「先輩」という存在。もう自分が自分なのか先輩なのかわからなくなってしまうくらいの強い絆で結ばれているようです。私にはわからない感覚です。
私の人生にいた「先輩」は
・部活の先輩・・文化系のチームワークの関係しない部活だったので序列もなく交流もなかった
・バイトの先輩・・先に仕事についていた人なだけでフラットな関係なので、先輩という意識がなかった。
・職場の先輩・・仕事上の関係なので壁は厚く、先輩というか上司という感覚で接していた。
マイルドヤンキーの発する「先輩」はこのどれにもあてはまらないものです。
中学や高校の上級生というだけでなく、学校という枠組みからも離れた遊び仲間の年長者が「先輩」というネーミングで存在しているのが特徴かなと思っています。
そんなマイルドヤンキーにおける「先輩」は先輩として近寄りがたい距離を保っているどころか積極的にパーソナルな所に介入し私的な部分に介入しているところが見逃せません。
地元があって、そこで人間関係を構築し、そこから離れることなどみじんも考えないマイルドヤンキーにとって、ムラ社会は確実に残っていて、先輩も実姉も特に違いはなくみんなで協力して生きていくという考え方があるのかもしれません。
マイルドヤンキー、奥が深いです。
オチは特にありません。
また違ったキーワードで今後も書いてみたいです。